斬新なアプローチでほうじ茶の魅力を発信!
東京・日本橋人形町のほうじ茶専門店『森乃園』

本当においしいほうじ茶を届けたい

 

人形町駅2A出口に降り立つと、漂ってくる香ばしい香り。その香りにつられて歩を進めるとたどり着くのが、1914年創業のほうじ茶専門店『森乃園(もりのえん)』。下町らしい雰囲気が漂う商店街「甘酒横丁」を入ってすぐ左手にあります。

1階では各種お茶のほか、ほうじ茶スイーツを販売

『森乃園』では、ほうじ茶に使う茶葉を全国から厳選して仕入れ、独自の直火型煎機で毎日丁寧に焙煎。大量生産が可能な熱風式焙煎機ではなく、あえて手間暇がかかり、少量生産の直火型焙煎でのほうじ茶製造にこだわっています。

 

直火型焙煎機を使うのは、お客さんに本当においしいほうじ茶を飲んでもらいたいから。スタッフの宮脇香絵さんが焙煎へのこだわりを話してくれました。

スタッフの宮脇香絵さん

「熱風式で一瞬のうちに大量に焙煎すると、茶葉の水分が完全に蒸発せず、苦みと渋みが残りやすいんです。また、表面の色だけが変わり、中まで火が通らないため、甘みが引き出せません」

 

「日々の気温や湿度によって焙煎温度も変えています。熱する温度が1℃違うだけで違った味や香りになるので、慎重に調節しています」と宮脇さん。

独自加工した直火型焙煎機でじっくり芯から焙煎

そのようにして焙煎された茶葉は一晩寝かせて、袋詰めされ、店頭へ。一番人気の「極上ほうじ茶」は100g830円(税別)と、ほうじ茶としては高価格帯ですが、売れ行きは好調でリピーターが多いそうです。

看板商品の「極上ほうじ茶」

その極上ほうじ茶をいただいてみました。
深みのあるこげ茶色は、まるでコーヒーのよう。口に含むと芳醇な焙煎香が鼻に抜け、コク深く濃厚な味わいが口いっぱいに広がります。リピーターが多いのも納得です。

 

 

三代目社長による店舗改革

 

老舗のほうじ茶専門店としてその名を馳せている『森乃園』ですが、実はほうじ茶に特化し始めたのは、現在の社長・渋谷仁志さんが三代目に就任してからです。
二代目が体調を崩し、やむなく店を畳もうとしていた際に、当時不動産会社のトップ営業マンとして活躍していた渋谷さんが、“物件”のひとつとして出会ったのが『森乃園』でした。

 

「立地にも恵まれた価値ある老舗がなくなるのはもったいない」

 

そう考えた渋谷さんは、自身が店を買い取ることを決意。二代目の元で修行を積み、認めてもらい晴れて店の主となった渋谷さんがまず着手したのが、店のコンセプト作りでした。

 

「森乃園には自社の茶畑がないので、他店と差別化を図るにはどうしたらいいかと考えた時に浮かんだのがほうじ茶です。焙煎方法にこだわり、付加価値をつけた高価格帯のほうじ茶を主軸とすることに決めました」と、当時のことを宮脇さんが教えてくれました。

手間暇かけて焙煎されたほうじ茶

これを皮切りに、トップ営業マンとして培った渋谷さんの経営手腕が至る所で発揮されることになります。
そうして誕生した同店の看板商品「極上ほうじ茶」に加え、昨今の健康志向を受けて「薬膳ほうじ茶」「桑の葉ほうじ茶」「杜仲ほうじ茶」なども開発。ほうじ茶の豊かな香りと深い味わいを大切にし、身体にいいとされる素材の特徴を生かした健康茶商品です。

脂肪が気になる人に人気の「杜仲ほうじ茶」

ほうじ茶スイーツの商品開発に着手

 

そして、健康茶商品と並行して行ったのが、ほうじ茶を使ったスイーツやドリンクの開発です。

 

「普段ほうじ茶を飲まない層に向けて、いかにほうじ茶の魅力を発信していけるかと考えた時に浮かんだのが、ほうじ茶のスイーツでした」と宮脇さん。

 

今や『森乃園』の看板商品のひとつとなった「ほうじ茶ソフト」に加え、ほうじ茶カステラや、ほうじ茶ビールなど、多彩なメニューを考案。
商品開発にあたっては、味だけでなく見た目のインパクトやサプライズ感、パッケージデザイン、値付けにもこだわったそう。
真っ黒なビジュアルが目を引く「ほうじ茶羊羹」やほうじ茶づくしの「ほうじ茶パフェ」「ほうじ茶ビール」など、昨今のSNS映え需要も手伝って、女性を中心に人気商品に成長しています。

夏場は1日350個売れることもある「ほうじ茶ソフト」350円(税込)

皮と餡、両方にほうじ茶を使った「ほうじ茶どら焼き」は、宮脇さんが考案した人気商品です。

 

「社長からのアドバイスで、一個540円という高価格帯に設定したのですが、そのプレミアム感が受け、店頭でのスイーツ人気No.1商品となっています」と宮脇さん。

宮脇さんが考案した「ほうじ茶どら焼き」

同店では、スタッフの誰もが新商品のアイデアを形にすることができます。その結果、続々とユニークな商品が生まれているそうです。
そんな企業風土が、スタッフの愛社精神やほうじ茶愛も育み、好循環に繋がっているのかもしれません。

スタッフのみなさん

世襲が一般的なお茶業界にとって、まさに革命児ともいえる三代目社長の渋谷さん。店舗から徒歩2分の場所にあるカラオケ店併設の2号店では、“ほうじ茶スイーツが楽しめるカラオケ”を提案。限定メニューの「ほうじ茶クレープ」も提供し、人気を博しています。

また、今後はオンラインショップの外国語ページの拡充、さらには独自の焙煎技術の普及も視野にいれているそう。
『森乃園』が生み出す新たな試みから今後も目が離せません。

 

店舗情報
住所 東京都中央区日本橋人形町2-4-9
電話番号 03-3667-2666
営業時間
1階(茶葉・ほうじ茶ソフト販売) 9:00~19:00
2階(甘味処) 12:00~18:00(L.O17:00)※土日祝:11:00~17:30(L.O17:00)定休日 なし
https://morinoen.jp/

 

 

Editor

  • 尾崎 美鈴
  • 尾崎 美鈴
    Misuzu Ozaki

    ライター歴15年。主にグルメサイト・グルメ情報誌の仕事に携わる。国際線CAと10年に渡るバンコク暮らしの経験を生かし、国内外の食文化・食事情を取材、情報を発信中。時間を見つけてはふらりと海外を訪れ、現地の知られざる美味と美酒、珍しいお茶を発掘するのが趣味。

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