日本茶スタンドを併設! 老舗スポーツブランドの「デサント」が
『デサント トウキョウ』を東京・渋谷にオープン!
- Text byKazutaka Miura
ブランド最大規模のストアが誕生
2019年2月、日本を代表するスポーツブランド「デサント」のメインストア「DESCENTE TOKYO(デサント トウキョウ)」が東京・渋谷の明治通り沿いにオープンしました。
同店舗は“体と心のチューニング”をコンセプトに3フロアで構成され、ライフスタイルウェアやトレーニングウエア、シューズなどをラインナップしています。
そして、1階には日本茶専門店「すすむ屋茶店」のティースタンドを併設しています。「すすむ屋茶店」は、鹿児島に本店を構え、東京・自由が丘にも店舗を持つ人気の鹿児島茶専門店。知覧茶をはじめとする鹿児島産のお茶やオリジナルの茶器を販売しています。
1935年の創業以来、野球やゴルフ、陸上競技といったスポーツアイテムを展開し、多くのファンに愛され続けている「デサント」。そんなブランドが、なぜ日本茶に着目し、「スポーツ」と「日本茶」という異色のコラボレーションを実現したのでしょうか?
デサントブランドのマーケティング担当・植木宣博さんと、「すすむ屋茶店」の店長・濱田辰徳さんにお話を伺いました。
日本茶はデサントの新たなシンボルに
まずは植木さんが「デサント トウキョウ」で日本茶を扱うことになったきっかけを話してくれました。
「デサント トウキョウをオープンするにあたり、スポーツ然とした従来のデサントブランドとは違う新しいイメージを打ち出そうと考えていました。また、ゴールデンスポーツイヤーズを迎え、外国からのお客様が増えることも考え、日本のスポーツブランドとして、日本人がこれまで大切にしてきた日本文化を提案したいという想いがありました。衣食住の文化を中心に、どんなものをテーマにしようか検討した結果、私たちの日常に根付いているお茶がいいんじゃないかということになったんです」
その後、とあるご縁がきっかけとなり、植木さんは「すすむ屋茶店」の紹介を受け、オープンに向けて話を進めていきます。
しかし、社内には新しいデサントブランドを象徴するメインストアで日本茶を展開することに疑問の声もあったそうです。
「当初、日本茶スタンドをショップに併設することに対して社内からは、なんでお茶なのか? 店内に設置して違和感があったらどうするの? といった疑問や心配する声があったんです。しかし、すすむ屋茶店の新原社長と話を重ねていくうちに、そういった懸念は払拭されていきました。お茶のことを知れば知るほど、スポーツとの親和性が高いことに気づかされ、日本茶とデサントブランドのコラボレーションは絶対に大丈夫だと確信していました」と植木さん。
実は、「すすむ屋茶店」の新原社長はアパレル業界の出身。そういったこともあり、植木さんは、新原社長と最初に打ち合わせをした時から波長が合うと感じていたそう。新原社長の柔軟な姿勢やセンス、さらにはデサントブランドに対する深い理解を感じ、植木さんの信頼は揺るぎないものになったと言います。
ティースタンドがスポーツショップに融合
「すすむ屋茶店」のティースタンドは1階のメインフロアにあり、すぐ隣にはデサントブランドの象徴とも言える野球のコーナーが設置されています。
「野球とお茶は、どちらも日本人のDNAに刻まれた大切な文化です。コーヒースタンドがアパレルショップにあるのはよく見かけますが、日本茶スタンドがあるお店はまだまだ少ないと感じます。コーヒーもいいですが、日本人だからこそ、やっぱり日本茶のことをもっと知ってもらいたいと思います」と植木さん。
体調や気分に合わせてお茶を提案
「すすむ屋茶店」のティースタンドでまず目を引くのは、カウンターに並んだ茶葉のディスプレイ。容器のラベルには「煎茶アサツユ(ギアを入れ替えたいとき)」、「煎茶深みとコク(集中力を高めたいとき)」、「煎茶こくまろ(ほっとしたいとき)」など、日常のさまざまなシーンが明記され、体調や気分に合わせてお茶を購入できるようになっています。
その数は15種類。煎茶だけでなく、茎茶や玄米茶、番茶などが用意されています。
「すすむ屋茶店」で店長を務める濱田さんはお店の特徴をこう話します。
「ここはスポーツアイテムのショップなので、鹿児島や自由が丘の店舗とは自然とお客様の層と来店の目的が異なってきます。他店舗はお茶を求めてくるお客様が中心なので、お茶に集中していればよかったのですがここでは少し違います。一人一人のお客様とのコミュニケーションをより大切にし、スポーツとお茶の相性を考え、その方の気分や体調に合わせてお茶を提案することを心がけています」
「デサント」ブレンドのお茶も販売
今回のオープンに合わせて、同店限定のデサントブレンドのお茶を開発。鹿児島を代表する品種・ゆたかみどりの煎茶を使い、スポーツと相性のいいブレンドに仕上げています。こちらはティーバッグとリーフのタイプがあり、水出しもオススメ。ランナーやジムに通う方にも人気だと言います。
メニューは、本日の日本茶(400円)をはじめ、くきほうじ茶(400円)、抹茶(430円)、抹茶ラテ(500円)など、ドリンクが8種類。ぜんざいや最中などの甘味も提供しています。
店内では、スポーツや暮らしをテーマにした書籍も販売し、購入したお茶が置ける小さなテーブルやソファも設置。お茶を片手に店内を回り、デサントブランドの新しい世界をゆっくりと楽しむことができます。
今後はお茶やスポーツに関連したイベントやワークショップを定期的に開催していくそう。スポーツと日本茶の新たな可能性を感じさせてくれる「デサント トウキョウ」に、ぜひ足を運んでみてください。
店舗情報
住所 東京都渋谷区神宮前6-19-21
TEL 03-6804-6332
営業時間 11:00~20:00
不定休
https://tokyo.descente.com/