渋谷の喧騒から離れ、心地よいお茶の時間を。
セルリアンタワー東急ホテルのラウンジ『坐忘』
- Text by Kazutaka Miura
渋谷の中心地にそびえ立ち、素晴らしい眺望ときめ細かなサービスに定評のある「セルリアンタワー東急ホテル」。その1階ロビーフロアにある『坐忘(ざぼう)』は、お茶に対する強い思い入れを持ったラウンジだ。打ち合わせ、商談、女子会、誕生日会など、様々な場面で多くの人々がその空間を利用し、厳選された一杯のお茶と共に思い思いの時間を過ごしている。

坐忘とは、”坐して忘れる”という仏語。雑念を去り、無念無想の境地で静まった心を見つめるという意味を持つ。その意味が表すように、「坐忘」では目の前に広がる日本庭園と木々を望み、都会の喧騒を忘れ、自分のペースでリラックスした時間を過ごすことができる。
フロアの天井は高く、大きな窓から自然光がたっぷりと差し込み、開放感は圧倒的だ。

坐忘に面した日本庭園は「閑坐庭」と呼ばれ、その名称は「澄み切った心で居れば、耳に澄み切った松風の音が自然と聞こえてくる」を意味する禅語の「閑坐聴松風(かんざして、しょうふうをきく)」に由来。禅僧であり、著名な庭園デザイナー・枡野俊明氏が手がけた美しい庭園である。

「坐忘」のティーセレクションは目を見張るものがある。中国、台湾、インド、スリンランカ、日本といった世界中の産地から茶葉を厳選し、紅茶、烏龍茶、緑茶、ハーブティー、フレーバーティーなどが揃う。

紅茶セレクションは、スリランカ・ヌワラエリヤやモーリシャスなどの紅茶が6種類、中国茶セレクションには、ダージリン、ウバと並び世界三大紅茶と言われるキーマン紅茶や、台湾烏龍茶の東方美人など6種類がメニューに並ぶ。
日本茶セットは、京都・宇治田原の玉露や抹茶、滋賀・信楽の熟成ほうじ茶が用意され、和菓子と一緒に提供される。
こだわりのティーメニューの中で特に人気なのは「ロイヤルミルクティー」だという。アッサムの茶葉をミルクでゆっくり煮出し、深みのあるコクとまろやかさを味わえる一品だ。

アフタヌーンティーセット「トゥール・ド・アンサンブル(税込3682円)」では、そんな約30種類ものティーセレクションが、2時間好きなだけ飲めるというから嬉しいかぎり。なお、滞在は3時間までとなっている。
アフタヌーンティーセットは、旬の食材を取り入れたサンドウィッチ、アペタイザー、3種類のスコーン、デザートなどが楽しめる。その質の高さは定評があり、連日多くのお客さんが、お気に入りのお茶と共に午後のひと時を過ごしている。

「坐忘」のお茶への思い入れはスタッフまで行き届いている。茶道の師範の資格を持っているスタッフが、茶文化や抹茶の点て方について社内でレクチャーを行い、どのスタッフもお茶への理解が深まるよう努めているという。お茶を提供する際には、そんなスタッフがお湯の温度や抽出時間にこだわり、一杯いっぱい丁寧に淹れてくれる。
そして、ホテルのラウンジゆえ、サービスに抜かりはなく、どんな時も笑顔でもてなしてくれる。

渋谷でゆったりと寛げる心地いい場所や、落ち着いた雰囲気の打ち合わせ場所を探しているときは、まず「坐忘」を訪れてみてほしい。きっと充実した時間を演出してくれるはずだ。
【店舗情報】
住所:東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル ロビーフロア
営業時間:10:00~22:00 (L.O.21:30)
電話番号:03-3476-3439
URL https://www.tokyuhotels.co.jp/cerulean-h/restaurant/zabou/index.html
※予約は「アフタヌーンティー」と「ソワレ」のみ。通常予約は不可