【イベントリポート】
知覧茶の今を伝えるイベント『隣のお茶は、青い』
2019年2月18日、東京・原宿で開催

海と山に囲まれた雄大な大地に広がる美しい茶畑。
ここは知覧茶の一大生産地、鹿児島県南九州市。
市町村単位で”日本一”のお茶の生産量を誇る、全国有数のお茶の町です。

南九州市は歴史の町としても有名です。
江戸時代の風情を残す武家屋敷が現存し、第二次世界大戦中には本土最南端の特攻基地がありました。
”薩摩の小京都”とも呼ばれ、多くの観光客が訪れる鹿児島県屈指の観光地でもあります。


そんな歴史と茶文化が根付く町「南九州市」で、茶業の活性化を目指し、精力的に活動をしている川口塔子さんから、ある日、一通の招待状が届きました。

川口塔子さん

封筒を開けると、まず目に飛び込んできたのは、インパクトのあるメッセージ。

 

「隣のお茶は、青い」

 

茶業に関わる南九州市のメンバーが中心となり、東京で知覧茶のプロモーションイベントを開催するというお知らせだったのです。
封筒には、お茶の葉が同封され、招待状にはこのような想いが書かれていました。


「首都圏から遠く離れた鹿児島県は、茶生産においては恵まれた環境下にありますが、流通においては決して好立地とは言えません。今、私たちは一大茶産地として、現状を打開すべく、未来への投資に動きはじめました。『知覧茶の未来を創る仲間をつくりたい』という強い想いの元、皆様には良きも悪きも、”知覧茶のすべて”をお伝えしていきたいと考えています」


未来への決意が込められた熱い言葉に心踊らせ、知覧茶イベント『隣のお茶は、青い』に参加してきました。

2019年2月、場所は東京・原宿。

のどかで雄大な南九州市のイメージとは異なり、会場は、白で統一された都会的でモダンな空間。テーブルには茶の木が飾られ、会場の細部にまでこだわりが行き届いていました。

この日のイベントは、川口さんをはじめ、南九州市茶業課で茶業技師として働く福迫さん、南九州市で活動するデザインチーム「カンケリデザインによる公民連携チームが企画と運営を行いました。
素敵な招待状の制作や会場のプロデュースは、「カンケリデザイン」のメンバーが行ったそうです。
会場に入ると、南九州市からやってきた運営メンバーたちが温かく迎えてくれました。

このイベントに招待されたのは、東京や神奈川など首都圏で日本茶のカフェや飲食店を経営するオーナーや日本茶事業を展開している方々。


消費地の最前線で新しい取り組みをしているお店のオーナーに「もっと知覧茶を知ってもらいたい、知覧茶のファンになってもらいたい」ということから、日本茶のプロモーションイベントとしては珍しく、日本茶のカフェや飲食店のオーナーを中心に集めた形で実施されました。

 

イベントは、川口さんによる知覧茶の紹介でスタート。
その後、知覧茶の生産者である永山製茶の永山さん、下窪勲製茶の下窪さん、茶業技師の福迫さんによるトークセッションを行い、知覧茶の生産現場で起きているリアルなことが語られました。

下窪勲製茶の下窪さん(左)と永山製茶の永山さん

対談の後には、「ともにつくる、新しき知覧茶」を合言葉に、永山さん、下窪さんとオーナーたちが交流。知覧茶のこれからについて、活発な意見交換が行われました。

 

さらに、本イベントでは知覧茶のテイスティング企画も実施。オーナーたちは、南九州市で生産された16種類のお茶の中から気になるものを選び、知覧茶のテイスティングを行いました。

南九州市では温暖な気候を生かし、多様な品種のお茶が栽培されています。
その中でも代表的な品種といえば「ゆたかみどり」。南九州市で生産されるお茶の4割ほどが「ゆたかみどり」です。
「ゆたかみどり」は名前の通り、ゆたかな甘みとコク、濃い緑色の水色(お茶を淹れたときの色)が特徴です。

そのほか、甘みと旨みのバランスとれた「さえみどり」や、天然玉露と呼ばれ、旨みに特徴のある「あさつゆ」などは近年、栽培面積が増加傾向にあるなど、人気が高まっているそうです。

この日は、そのほかにも「あさのか」、「はるもえぎ」、「おくみどり」といった個性的な品種、さらには紅茶やウーロン茶、ギャバ発酵茶なども用意され、オーナーたちは楽しそうにお茶のテイスティングを行なっていました。

 

イベント終了後には来場者から、「日頃聞けない栽培に関することを生産者から聞けて勉強になった」「南九州市に足を運んで産地の視察をしたい」「試飲した茶種・品種のお茶を自分の店で扱ってみたい」とった声が聞かれました。

 

運営メンバーたちは、今回のイベントでつながることができた首都圏の日本茶カフェのオーナーや日本茶の専門家との縁を大切にしながら、今後も知覧茶独自の企画を実施していくそう。これからの展開が楽しみです。

 

4月20日(土)にはニュータイトルが主催するイベント『東京下町 春のお茶めぐり』に、川口さんによる知覧茶プロジェクト「WACHAEN」のブースが出店します。
ぜひこちらもチェックしてみてください。

 

『東京下町 春のお茶めぐり』
https://newtitle.tokyo/feature/harunoochameguri2019/

 

知覧茶公式サイト
https://www.chirantea.com/?lang=ja

Editor

  • 三浦一崇
  • 三浦 一崇
    Kazutaka Miura

    NewTitleディレクター。雑誌編集者として5年、PR会社で広報マンとして3年、メディアの仕事に携わってきた経験を生かし、ジャーナリズム精神を忘れず、お茶のおもしろいことを発信中。

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