「100種類のお茶割り」と「100種類の唐揚げ」が楽しめる酒場【茶割】

新旧の個性的な飲食店が軒を連ねる東京目黒区の学芸大学駅周辺エリア。その街の中でひときわ味わい深くディープなお店が密集する十字街と呼ばれる場所がある。
「茶割」はそんな十字街の一角にあるビルの二階に店を構えている。オープンは2016年9月。開店から1年が経ち、「お茶割りが100種類もある珍しい店が学芸大学にある」という噂は口コミを中心に広がり、多くの茶割ファンが夜な夜な通い、一日の終わりにお気に入りのお茶割りと美味しいおばんざいとともに楽しいひと時を過ごしている。

 

 

「お茶割りとの出合いは突然に」
「茶割」のオーナーは多治見智高さん。多治見さんは数年前に起きたある出来事がきっかけでお茶割りに出合う。
「数年前、ある女性に恋をしました。実はその女性がお茶割り好きだったんですね。一緒に飲みに行くといつもお茶割りを飲んでて。その影響で自分も飲み始めたら、あっという間にお茶割りにハマっていました。もともと焼酎は苦手だったんですが、お茶割りは自然と美味しく飲めたんです」。
お茶割りにハマり出した多治見さんは、様々なお店を飲み歩く中で、お茶割りというメニューの可能性に気づく。
「当時いろいろなお店でお茶割りを飲んでいたんですが、どこのお店でもお茶割りって人気な割に雑に扱われているように感じたんです。割るお茶は緑茶や烏龍茶ぐらいで、茶葉から淹れたお茶を使っているお店はほとんどありませんでした。せっかくの人気メニューなんだから、作り方や見せ方をもっと工夫して、お客さんに丁寧に出したらもっとお茶割りが美味しく、そしておもしろくなるんじゃないかと思ったんです。そんなことを考えるようになったのが、お茶割りのお店をつくろうと思ったきっかけです」。
お茶割りとの出合いは、代官山で別の飲食店を経営していた多治見さんが、二店舗目のオープンを考え出していたときと重なり、すぐに茶割のオープンに向けて動き出した。

 

 

 

「お茶に囲まれ、お茶とともに育った」
お茶割りのお店をオープンするだけあって、多治見さんはお酒同様に、お茶との付き合いも長く、そして深い。多治見さんのお茶との出合いは幼少期まで遡る。
「我が家は急須でお茶を入れる家庭で、食後は必ず急須で入れたお茶をみんなで飲んでいましたね。小さい頃はよく近所のお茶屋さんに遊びに行き、そこのおばちゃんとお茶を飲みながら楽しくおしゃべりをしていました。大学生になってからも親からもらった急須でお茶だけはずっと飲んでいましたね。そして社会人になった今もお茶をいつも飲んでいます。根っからのお茶好きなんです」と多治見さん。
多治見さんが一番好きなお茶は、抹茶入り玄米茶だという。多治見さんにとって、小さい頃に母親が入れてくれた抹茶入り玄米茶の味が今も一番だ。小さい頃からお茶に慣れ親しんできた多治見さんだからこそ、お茶割りの魅力と可能性に気づき、お茶割りに着目した斬新な酒場「茶割」の誕生に至ったのだろう。

店長の小野里海さんが笑顔で迎えてくれる

 

 

「近所のお茶屋さんと仲良くやっていきたい」
茶割で使われているお茶の多くは、学芸大学の商店街にある日本茶専門店「今井園」のお茶である。今井園にはオープン前からお茶のことについてアドバイスをもらっているのだという。
「当初、お茶割りに使うお茶は通販で仕入れようと思い、京都や静岡のお茶屋さんのサイトで購入し、いろいろ取り寄せてました。でも、学芸大学にお店を出すにあたっては近所のお店と仲良くやっていきたいという思いもあったので、すぐ近所の昔からある老舗のお茶屋さんのお茶を使うことにしました。今井園さんはとてもいいお店で、親父さんがいつも熱くお茶のことを語ってくれ、お茶のことについていろいろと教えてくれます」。

 

今井園店主の今井さん。今井園では様々なお茶を販売している

 

「100種類のお茶割りへのこだわり」
「世の中には焼酎やリキュールが無数にあって、お茶の種類も本当にたくさんある。だからこそ、5種類や10種類のお茶割りではおもしろくないと思ったんです。どうせやるならガツンと100種類にしようと思い、オープン時から100種類のメニューを置いています」と多治見さん。

お茶は今井園の煎茶、茎茶、ほうじ茶のほか、阿波晩茶やアールグレイ、そば茶など10種類。お酒は焼酎やジン、ウォッカ、ラム、ウイスキーなど10種類がメニューに並ぶ。お客さんはメニューを見ながら、それぞれのお茶とお酒を自由に組み合わせて注文する。
焼酎は麦、米など20種類ほどあって好きなものを選べるのも嬉しい。人気のお茶割りは、清涼感がありスッキリしている「茎茶×ジン」や、香ばしさが魅力の「ほうじ茶×ウイスキー」。女性には「抹茶×カシス」が人気とのこと。”今月のお酒”は季節に合わせたフルーツ系の甘いお酒を中心に月替わりで登場し、女性に好評だという。

茶割は100種類のお茶割りだけでなく、丁寧に作られたおばんざいなどのフードメニューも充実している。中でも注目なのは「100種類の唐揚げ」。もも、むね、ささみ、砂肝など10種類の部位と、柚子胡椒、カレー、わさび、ペペロンチーノ、パクチーなど10種類の味付けを組み合わせることができる。
「唐揚げもお茶割りと同じで、どこのお店の唐揚げメニューも数種類しかないんですよね。唐揚げももっと工夫したらおもしろいメニューにできるんじゃないかと思って100種類にしました」と多治見さん。茶割では先日、100種類の唐揚げ人気投票「唐揚げ解散総選挙」が開催され大盛況だったという。どの唐揚げが一位を獲得したかは、お店で店長の小野里海さんに聞いてみてほしい。
最後にもう一つオススメなのが「鯛茶漬け」。お茶割りに使用する10種類のお茶の中から好きなお茶を選ぶことができる人気の品。ぜひ締めにご注文を。

 

 

「お茶割りがつくりだす人の輪」
「お客さんにはみんなでワイワイしながらお茶割りを楽しく飲んでほしい。そして、お気に入りのお茶割りを見つけてもらいたい。自分のお気に入りのお茶割りを友達に紹介して、お茶割りの輪が広がっていってくれたら嬉しいです」と多治見さん。
その言葉が物語るように店内では、お客さんの「そのお茶割りは何? 私のオススメは煎茶とジン!あなたのオススメは?」というような会話がよく生まれる。カウンター席では見知らぬ者同士が「どんなお茶割りを飲んでるんですか?」という問いかけがきっかけで仲良くなったり、グループではみんなでお茶割りの飲み比べを楽しみながら盛り上がるということもよくあるそう。

 

近々、100種類のお茶割りとともに大切な仲間と楽しいひと時を過ごしてみてはいかがだろう。

 

 

店舗情報
住所 東京都目黒区鷹番2-20-19 そしある学芸大 2F
電話番号 03-6412-7884
営業時間 19:00 ~ 27:00
定休日 月曜 ※祝日の場合は翌日振替休業
公式facebookページ www.facebook.com/chawari.tokyo

Editor

  • 三浦一崇
  • 三浦 一崇
    Kazutaka Miura

    NewTitleディレクター。雑誌編集者として5年、PR会社で広報マンとして3年、メディアの仕事に携わってきた経験を生かし、ジャーナリズム精神を忘れず、お茶のおもしろいことを発信中。

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