「本物」を届ける紅茶ブランド『teaholics』が描く、和紅茶の明るい未来

和紅茶と呼ばれる国産紅茶の存在感が、ここ数年高まっている。明治から昭和にかけて、日本では主要な茶産地で紅茶が製造されていたが、1971年の紅茶輸入自由化によって国内に外国産紅茶が広まり、国産紅茶は国内市場からほぼ姿を消していた。

しかし、2000年代に入り、新たな市場の開拓などを目的に、紅茶づくりを行う生産者が全国的に増加。ここ数年で品質が高まり、和紅茶の取り扱い店舗も増え、お茶好きの消費者を中心に注目を集めている。

その和紅茶をテーマにしたイベント『第三回 和紅茶の祭典 和紅茶とミルクを知る』が、2018年8月25日(土)と8月26日(日)に神戸で開催されることになり、和紅茶ファンの間で期待が高まっている。
今回はイベント開催を前に、主催者である『teaholics(ティーホリックス)』にインタビューを行い、和紅茶やイベントについて話を聞いた。
teaholicsは、和紅茶やインド産紅茶など、選りすぐりの紅茶を提案しているブランドだ。

 

和紅茶の祭典のはじまり

 

和紅茶の祭典は、日本各地の生産者が一堂に会し、様々な和紅茶に出合えるイベントだ。

 

「和紅茶の祭典をスタートしようと思ったのは3年ほど前です。当時は、今ほど和紅茶の認知度はありませんでしたが、様々な茶園を訪問し、生産者さんと近しくなり、その紅茶を世の中にもっと知ってもらいたいと思うようになりました。そこで、和紅茶の普及とレベル向上を目指して、流行の発信地でもある東京・銀座を舞台に和紅茶の祭典を2016年8月に開催したのがはじまりです」

 

teaholicsは、茶園訪問は宝探しに匹敵する楽しみがあると考え、生産者との会話を大切にし、生産者のことを知れば知るほど和紅茶を飲む楽しみが増すのだという。

 

 

 「今年で3回目になる和紅茶の祭典ですが、3年前と比べても、明らかにおいしい紅茶が増えましたね。最近は和紅茶に未来を感じるようになりました。日本人のものづくりのセンスは紅茶においても際立っていて、世界三大紅茶のひとつであるインドのダージリンティーと勝負できるような紅茶をつくる生産者も日本にいます。世界的に見ても、和紅茶はこれから需要が伸びる可能性を秘めていて、真剣につくり続ければまだまだ品質の向上が見込めます。和紅茶の未来に期待が膨らみますね」と和紅茶の可能性について話してくれた。

 

teaholicsと紅茶の関わり

 

teaholicsは本物の紅茶を届けるために、国内外の産地を回り、茶葉を仕入れ、販売している。
「確信を持っておすすめできる紅茶だけを選んでいます。お茶を買ってくださった方が笑顔になるような紅茶を厳選しています。お茶のセレクトが一番慎重な作業かもしれません」と仕入れに対するこだわりを話してくれた。
2018年3月には、ダージリンで最古であり、最大規模の茶園として名を馳せる「ロングビュー茶園(Longview Tea & Agro Ltd)」の国内代理店になった。

 

「和紅茶とインドの紅茶の販売、両方に力を入れています。一見、矛盾しているように思えますが、インドなどの紅茶に携わることで、海外のお茶事情に精通することができ、グローバルな視点で日本のお茶の立ち位置を見ることができることができます。それが結果的に和紅茶の普及への貢献にも繋がると思っています」

 

おいしくて、おしゃれな和紅茶を目指して

 

『第3回 和紅茶の祭典 和紅茶とミルクを知る』のコンセプトは”和紅茶の美味しさを知り、愉しみ方の幅を広げる”だ。
初回と2回目は東京・銀座で開催され、今年は神戸市内に残る最も古い異人館かつ重要文化財にもなっている「TOOTH TOOTH maison 15th」が会場となる。そんな由緒ある場所は、和紅茶のイメージを発信する場としてふさわしいと考え選ばれた。

会場となるTOOTH TOOTH maison 15th

「和紅茶のイメージは、ダージリンティーなどの海外紅茶に比べると、まだまだおしゃれであるとは言えません。和紅茶がもっと日本で、そして海外で普及するには、おしゃれなイメージを加えることも大事だと考えています。国の重要文化財である素晴らしい場所で開催することによって、おいしくて、おしゃれな和紅茶という新たなイメージを発信したいと思います」

 

和紅茶の祭典では、日本各地の生産者ブースが並び、対話を楽しみながら和紅茶を味わうことができる。京都大学の「紅茶の香り」を研究する坂田完三教授のセミナー、タカナシ乳業による「ミルクティー」のセミナーも見逃せない。イベント日限定の和紅茶×限定スイーツのアフタヌーンティー、チョコレート食べ比べ、英国文化のイレブンシスといったティータイムも味わえる。

まだまだこのような規模の和紅茶イベントは貴重な存在。本イベントを通して、発展し続ける和紅茶の今を体感してみてほしい。

 

teaholics
https://teaholics.co.jp

「第三回 和紅茶の祭典 和紅茶とミルクを知る」 http://newtitle.tokyo/tea_topics/第三回-和紅茶の祭典/

Editor

  • おおいし ゆりな
  • おおいし ゆりな
    Yurina Ooishi

    人の”思い”を文章で伝えるライター。映画監督、俳優、スポーツを通じた国際展開をしている人物へのインタビューを中心に様々な媒体で活躍している。出身地は茶どころ静岡。お茶を飲み終わるまでが食事という家庭環境の中で育つ。最近は置物と化してる急須だが、お茶に関わる方に触れ合い、お茶を淹れる心の余裕を持ちたいと思っている。

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