寺をリノベーションした山梨県の宿坊『ZEN&BED 望月庵』がオープン
茶と禅の世界を通してマインドフルネスを
- Text by Kazutaka Miura
山梨県甲州市塩山に位置し、戦国武将・武田信玄が祀られる菩提寺の「恵林寺」。『ZEN&BED 望月庵』は、その境内に隣接した寺をリニューアルし、マインドフルネスを体験できる宿坊として2018年3月にオープンした。
座禅や茶道、ミニチュア枯山水づくりなどの体験型プログラムを通じて、”静かに自分自身と向き合い、心と体を整えること”を目的とした宿泊施設だ。
お茶の体験では抹茶と季節のお菓子を味わい、茶道を楽しみ、座禅体験では、坐禅は何のために行うのか、どのように行うのかといった僧侶による坐禅の基本レクチャーのもと、日頃の雑念を取り除き、正しく坐禅を組むことで、心身を整えていく。
ミニチュア枯山水づくりの体験では、砂と岩を使い、箱庭の中に思い描いた世界を表現。坐禅と同様に無心につくり込み、自分自身と向き合う。
食事は、夕方に精進料理が、朝はお粥が用意され、命あるものを頂くありがたみや食す作法についての住職の話に耳を傾ける。
客室は「薄月」「暁月」「夕月」「宵月」の4 室が備わり、「薄月」はリニューアル前は茶室として用いられており、今でも茶室の面影を残したデザインとなっている。
武田信玄は、家臣達に対して「常に自分自身と向き合いなさい。物事の本質を悟りない」と言い、日頃から恵林寺で座禅をさせ、戦に行く前であっても座禅を組ませ、己を知り、己を悟れといつも言っていたと伝えられている。
『ZEN&BED 望月庵』は、戦国時代を生き抜いた武田信玄の家臣たちのように、真剣に、とことんまで自分自身と向き合い、人生の本質を探求できる貴重な場所だ。
施設情報
場所 山梨県甲州市塩山小屋敷2295
客室数 4 室
料金 要確認
予約 http://www.zenandbed.com